PiNARELLOのプリンスFXが部屋のオブジェクトと化して約三ヶ月が過ぎようとしていたところで久しぶりに乗り出してみる。
これだけ贅沢に仕上がっているバイクを飾っておくだけだなんて勿体ない...
重量こそ決して軽くはないがペダルを漕いで前に進む加速感はビアンキのエントリーモデルとは比べ物にならないくらい素晴らしいの一言。
そんなPiNARELLOのプリンスFXをバーチャルライドで鍛えた脚で漕ぎ出してみた。
ピチピチのウェアーを羽織りヘルメットにサングラス、何年も当たり前の様にこなしてきたルーティーンがとても新鮮に感じてしまうのはバーチャルライドに慣れてしまったせいだろうか、忘れ物が無いよう入念に確認をして走り出す。
それにしても梅雨入り前の空の下だが風を感じて走るのはたまらなく気持ちが良い。
自分では全くペダルを踏んでいる感覚が無いにも関わらずどんどんと加速していってしまうのはバーチャルライドの成果なのだろうか、それともバイクの恩恵なのか。
少し手応えを感じながら市街地を走り気持ちが昂っていく。
田野町交差点へと到着し宇都宮市森林公園へ向かうと腕試しならぬ脚試しの坂が待ち構えているのはご存知だろうか、そこで普段ならアウターのまま力任せに駆け上がるところをインナーに落とす自分がいた。
そう、今回はケイデンスをキープしながら登坂力向上が最大の目標になる。
しかしながら、バーチャルライドで散々と練習してきたつもりでも現実の世界で体現するのはかなり難しい。
あっという間に心拍数が上がりきってしまい失敗に終わってしまった感が非常に強い。
そんな調子で古賀志山を上ってみても上手くいくハズもなく残念。
結局、三ヶ月前と何も変わってはいなかった...
さて、久し振りピナレロに乗りリアルなライドをしてみたところ思っていた以上に裏切られた訳なのだが、結果として実はこれが正しいと語っておこう。
何故ならば、帰宅してバイクから降りた瞬間に歩けないほど疲れきっていたから。
それはつまり、バーチャルライドとは全く違う筋肉を使っていた証でありピナレロのポジションではベストなパフォーマンスを再現していない事になる。
正直、ピナレロくらいハイスペックなバイクになると何が正しくて何が間違いのか全く分からないところがあり、どんなに無理な乗り方をしたとしても気持ち良く前に進んでしまうから判断が非常に難しいのだ。
そこのところをちゃんと理解しておかないと諸刃の剣になりかねない。
三ヶ月もピナレロを封印していたのはこれが理由だったりして...